今冬は東南アジアの畑や農園を周っている。
いろいろお話を伺い、この地もまた大きな可能性を秘めた場所だと思えたので感じたことを伝えてみたいと思います :D
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ラタナキリに価値があるとして、それを食いつぶすゴールドラッシュ的なものとは別のコミュニケーションが渦をつくってほしい。
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それは実験農場の研修生に、自分で試行錯誤し学び続ける姿勢を伝えることと似ている。
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「自然農を中心に暮らしをつくる」
そんなプロジェクトをできそうなところを発掘して紹介したい。
場合によっては自分で何かプロジェクトを立ち上げるのもいいし、誰かの目に止まりそのひとが始めてくれてもいいと思い。
高原で涼しく、平地より多様な作物をつくれそうなラタナキリ。
もしプロジェクトを始めるとしたらどんな感じになりそうかな?などと考えながら見学させてもらいました。
■ラタナキリの実験農場
訪問した農場は、ラタナキリの町バンルンから2時間のローカルエリアにある。
カンボジアで長らく活動するNGOの実験農場で、5haを開墾して用水やボカシ、ソーラーを導入し現地びとの研修生が数名入っている。
5haの実験農場
ここはもともとは森というか雑木林状態だった一帯を開墾して栽培できるところまで来たという。
研修生が実作業を経験も兼ねやるわけだけど、強引にやってユンボが故障したり根っこを抜き切る作業が雑だったりでそれだけでも大変だったらしい。
その甲斐あって今ではこの通り多様な作物が栽培可能に!
商品になりやすいから?特に力を入れてるのがパイナップルらしく、
ラタナキリの土地でどんなものが育つのか?知りたければまずここに来るといいかもしれない。
農場のインフラ
かなりローカルなエリアと言うかそもそも雑木林だったところなのだが、水と電気はちゃんと確保されている。
農場では井戸が掘られており、
電気はソーラーで自家発電。
今は電気も来ており、電力需要に応じてそちらに切り替えも検討しているらしい。
カンボジアの辺境でもこういうモノを揃えて水やエネルギーを調達できる。
それを実際に見れたのは勉強になったなあ。
現地の育成へ向けて
農場では様々な商品作物を試験栽培しつつ、どう現地に引き継ぐか頭を悩ませてるみたい。
同時にどう自ら解をヒネりだすか、きめ細かく状況に対応するか、そういうところが伝わればと言ってて、自分も共感したなあ。
人とどう関わると人は変わるのか?
そこをこそ悩んでるみたい。
生活に余裕がなく新しいやり方を試すマインドが育ちにくい中、本当に残すべき財産とは何か?それを考えずに支援だけしても意味がないと。
機械の故障もいろいろ雑なことしそうになる現地びとに、本当に粘り強く教えながら直していたのが印象的だった。
■ラタナキリで自然農プロジェクトは可能なのか?
実験農場はカンボジアの高原の農地とはどういうものか垣間見れてものすごく参考になった。
物価もまだまだ安く、そこまでのリスクなくいろいろやれそうでもあった。
農場は住居完備!
まず実験農場には住み込める小屋がある。
電気も引いてある。
今は現地の面倒を見るおじさん(たぶん研修生)が住んでるそうな。
見た感じ農場もまだだいぶ空いてるし、
捕まえてシメることができれば美味しいご飯も自給できるはずだ(笑)
ただ最寄りの町から車で2時間というのは正直ツラいね(^_^;)
ラタナキリの町で土地を借りるコスト
ラタナキリの中心となる町がバンルンだ。
中心部は大きな舗装道路も通り開発が進んでいるが、それでもまだまだ物価は安い。
農場に連れてってもらった方に聞いたところ、バンルンでも少し中心から外れると、大きな敷地をかなり安値で借りられることがわかった。
こんな感じのローカルなエリアに、その方も一軒家を借りているのだが、
- 中心地に全然徒歩圏の
- 一軒家で
- 敷地は1反くらい?
という条件でお値段実に$200/月!!
プノンペンなら外国人向けワンルームを借りるのも難しい価格である(゚∀゚)
ソーラーパネルの相場価格
どこでやるにせよ「暮らしをつくるプロジェクト」としてはエネルギーくらいは自給したい。
個人ユースレベルのソーラーパネルであれば、バンルン市場近くで調達できる。
多分この店だ。
だいたい相場は、
- パネル+コントローラー:$80~100
- バッテリー:$20~40
- インバータ:$25
という感じ。
日本で買うのと似たような値段ですな。
総合して、ラタナキリで農的な暮らしをつくるのはそこまでハードルが高くないと思う。
■ラタナキリをマーケティングする
この価値を壊さず活かすために、農的生活の価値を広めるようなプロジェクトがあるときっといいよなあと思う。
しかしそうしたプロジェクトやビジネスが成り立ち持続するためには、人びとにその価値を知らせ理解してもらうことが必要となる。
ラタナキリの美しい高原町バンルン
バンルンは郊外の開発の手が比較的入っていないエリアが非常に美しく、
大きなパゴダ(お寺)もこの界隈にある。
周辺の木々が伐採されていないので、仏塔も緑陰の中で心地よさげだ。
ヤシの木が並び高原の青い空をバックにした本堂?がまたこの土地らしさを感じてとてもいい。
こういうエリアにこそ、どこの国かわからない近代的な町より圧倒的な価値を感じる。
バンルンに人を呼ぶ
お隣ベトナムでは中間層が台頭し、それまで山岳民族しかいなかった辺境の高地にゲストハウスが建ち金持ちベトナムびとが避暑に来るという。
またラタナキリは大学が無いのが惜しいが、湖の近辺に住む外国人へのアピールはやる価値があると思う。
これはバンルンにあるAmazonカフェからの素晴らしい眺望だが、
こういう外国人向けのカフェをつくって郊外の価値を知ってもらうのも良いだろう。
彼らのサードプレイスとして機能すれば、そこでプロジェクトを知ってもらうことも可能になる。
取り合わずパイを増やす
またこうした新興観光地に共通して必要なのは、自分のとこに客を呼ぶ以前に、その地域全体のパイを増やすってことだと思う。
まだ少ない顧客を取り合ってゲストハウス建設合戦とかやったらあっという間に共倒れするだろう。
その上美しい自然を無秩序に建ったコンクリ建物で踏み潰してしまうかもしれない。だから、まずhubbanlung.comみたいなメディアを立ち上げて、地域全体の魅力を発信すべきかもしれない。
それも「田舎が近代化して便利になりましたよ~」みたいなことでなく、もともとラタナキリが持ってる価値を知ってもらうべきだろう。
■100年後と今をつなぐ
美しい自然に根差した無限の価値を持つラタナキリも、中心部は開発が進み急速にその価値は失われているように見える。
目先の利益が100年後を食いつぶさないために、今できることはあると思う。
森と湖と近代化と
元はこんな高原のジャングルだったラタナキリ。
湖は水面にホテルが映るほど美しい。
しかして湖畔にはアップしないがプラごみ満載でもある。
土の改善と観光農園
近代化でお金を回した後に何も残らない、ではなくいつまでも価値を生む自然と文化を、目の前の生活も成り立たせつつ残す活動ってないだろうか。
例えばカンボジアは痩せた赤土がものすごく多い。
土がこんな感じばかりなのでタイやベトナムに比べて貧しくなりがちだったのかなあ?と想像したりする。
なのでやはり土の改善が必要になる。
連れて行ってもらった農場はたまたま赤土ではないのだが、それでも
- 米ぬか
- 牛糞鶏糞
- 草
を使ったボカシで土質改善に取り組んでいる。
たんじゅん農法の土作りなど試してみるととても面白いと思うし、ボカシは草だけでもできるらしいので、動物性堆肥を避ける自然農でも試せる。
自然農で土を改善しながら品質の高い野菜が育つ美しいガーデンをつくれれば、観光農園として成り立つ可能性があると思う。
健康な作物を売るのはもちろん100年続く暮らしを立てられること自体が、そこを訪れ学ぶべき価値となるからだ。
現地と手を携えて
土が改善した自然農の畑は100年後も健康な作物を育て続ける。
連れて行ってもらった実験農場では、ラタナキリでどんなものが栽培できるか、うまく育てるポイントは?などを学ぶのも可能だ。
当初は電気すら来てないところを農場にしているので、エネルギーや水を含め自給的な環境を整える方法、モノの調達先なども聞ける。
そして何より、現地カンボジアびととの繋がりができる。
100年の未来を見据えたプロジェクトで、技術と学ぶ意欲を持った人を雇用できたら本当に素晴らしい。
そんなプロジェクトがこの美しいラタナキリで生まれるのを、切に願っている^^
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