カンボジアも昔は農薬を買う金が無いという理由で無農薬が当たり前だったらしいが、最近はごく普通にいわゆる慣行農法に移行している。
オーガニック農法は手間もかかるし、やったからと言って儲かるとは限らないからそれはしょうがない。やっぱそういうのってやるとしても、外人資本でやってるんやろなあ~~
。。と想像していたので、この記事を見たときはびっくりした!
カンボジアのワカモノがオーガニック農法で、しかもビジネス的に成功しているという!ハイクラスなホテルなどに、慣行農法の野菜の7~14倍の価格でってホンマすごい。
これは本当にこの国の希望なのではないか、と思ってダメ元で連絡してみたら、なんとこのワカモノ、チャンナン・ソピアンくんを紹介してくれた!なんて素晴らしいんだganas!!
コーディネートしてくれたのは中村さんという現地で信頼を集めるコンサルさん。
この記事のひとなんだけど、こういうビジネスに対する価値観がとても共感できるひとだった。ぜひ読んでみてほしい。
Asana Barという、カンボジア伝統の高床式家屋のカフェで初めて2人にお会いした。ソピアンは英語が普通に話せて、おそらく彼よりずっと学ぶ機会を与えられてきてイマイチ話せない自分を思わず省みるわたくし( ̄▽ ̄
聞いたところ、バッタンバン出身で、今やっている畑は叔父の住んでいるコミュニティにある。その叔父さんのツテがあって始められたらしい。
オーガニック農法はカンボジアの学校や、NGOが開催するクラスをタイまで受けに行って学んだという。
叔父さんのツテがあるので畑はものすごく低コストで借りられている。しかしそのコスト優位やオーガニック技術はビジネスに結びつかねば続けることができない。
その点、シェムリアップという観光客が集まる立地は大きいだろう。外人なら比較的高価格でも、無農薬野菜となれば消費してくれる。
バッタンバンの実家は農家だそうで、そっちでもできたわけだが、この立地を選んだのはマーケティングセンスと言っていいと思う。
英語が話せるのもかなり大きいだろう。
冒頭の記事を読むと分かるが、普通にホテルに営業してもダメだったが、ホテルの宿泊客の外人にアピールしたら、そっちからリクエストが行って契約が取れたという。この機転もまた素晴らしい。
学ぶ意欲、マーケティング、語学力と営業センス、その全てをやってのけて、カンボジアでは主流とは言えないオーガニック農園を成立させたのだ。カンボジアのワカモノもすごいじゃない?
木漏れ日の中で育つハーブが美しい。この単一栽培でないこと自体がおそらく土質改善や害虫防除にも役立っているはずだ。
この一帯はトンレサップ湖と、もう一つ小さめの湖があり、そこから用水が引かれているエリアでもある。町から十分離れているので水も透き通っており、小魚が泳ぐのが見える。ここでできた作物なら食べたいと思わせる^^
畑から少し離れたところには、広大な田んぼもある!難しいかもしれないが、ゼヒ日本米にチャレンジしてほしいものだ。ベトナムでできるんだからできるはず!
ソピアンの農園にはあらゆる種類のオーガニックなテクニックが注ぎ込まれていて、学んだことを真摯に実行する、彼の真面目な性格を畑が映し出ししている。
堆肥はもちろんだが防虫にニームを育てており、
レモングラスやマリーゴールドが畑を護っている。
野菜だけでなく魚や家畜との循環もデザインされていて、
小さな池が水の確保だけではなく魚を飼う場にもなっている。家禽は食用はもちろん、堆肥原料の供給元でもあるだろう。パーマカルチャーで言う合理性や多重性というやつだ。
知り合いの大学の先生がベトナムでまさにこのような循環農法を教えに行っているのだが、ここには教えるまでもなく自分で学び、技術的にもビジネス的にも実現してゆくワカモノがいるのだ。
技術はもちろん、こういうものを生み出した社会の有機性もまた学ぶに値するものではないだろうか。
近代的なコンクリート&コロニアルなミニホテルではなく、カンボジアの伝統家屋らしいものにしたらと進言しておいた。もちろんソピアンもそのつもりであるという。
泊まる所があれば、彼のやってる農法を学びたいと思う人が訪れることができる。カンボジアのみならず、熱帯のオーガニック農法とは?という視点から見れば、学びの可能性は無限大だ。
ソピアンの叔父さんの家からはカンボジアらしいどこまでも続くパディビューと、トンレサップ湖から吹く風が心地よい一角があるのだが、もちろん予定地はそこ。
この(未来の)ゲストハウスからの素晴らしいビューを見よ!!\(^o^)/
そこにカンボジアの木と椰子の高床式伝統家屋があって、下にハンモックがあって、やってきたゲストが風に吹かれてゆらゆら揺れてるなんて考えるだけで素晴らしいじゃないか!
ソピアンの叔父さんの家では椰子を使った屋根葺きなど、今も伝統的な手仕事をいくつもしている。ゲストハウスができたら、オーガニック農法のみならず、そういうワークショップもできる。
そして彼はそれを全部英語で説明できるのだ。
これが事業として成功してくれたら、こういう家に住んで、手仕事をして、作物をケミカルに頼らず育てて、それによって水の綺麗さも保たれて。。そういう暮らし自体の価値が、ビジネスにもなることが実証される。
ビジネスが伝統と自然と未来を近代化で食い潰すのではない。ビジネスがそれらを全て護り、それ自体の価値を人びとの収入とするのだ。
そういう、新たなスタイルのビジネスが、英語を話せる現地びとで立ち上がってくる。これが本当のこの国の希望だと、深く思いを致す僕様だったのである。
関連リンク:
A Cambodian youth challenges organic farm in Siem Reap!(英訳版)
風土と街と近代と、愚図なやつらばっかじゃないぜ
カンボジアの農と食と、未来について考えた
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オーガニック農法は手間もかかるし、やったからと言って儲かるとは限らないからそれはしょうがない。やっぱそういうのってやるとしても、外人資本でやってるんやろなあ~~
。。と想像していたので、この記事を見たときはびっくりした!
>> カンボジアの青年が挑む無農薬野菜ビジネス、まずは外国人観光客がターゲット! - ganas 開発メディア
カンボジアのワカモノがオーガニック農法で、しかもビジネス的に成功しているという!ハイクラスなホテルなどに、慣行農法の野菜の7~14倍の価格でってホンマすごい。
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現地オーガニック農園 |
これは本当にこの国の希望なのではないか、と思ってダメ元で連絡してみたら、なんとこのワカモノ、チャンナン・ソピアンくんを紹介してくれた!なんて素晴らしいんだganas!!
■農園はシェムリアップに!
そんなわけでさっそくカンボジアに行った際、会いに行ってみた。農園のあるシェムリアップ近郊で会うことができた。コーディネートしてくれたのは中村さんという現地で信頼を集めるコンサルさん。
この記事のひとなんだけど、こういうビジネスに対する価値観がとても共感できるひとだった。ぜひ読んでみてほしい。
>> NGOがソーシャルビジネスとして運営するカンボジア地鶏の養鶏場が、将来のカンボジアの農村の人々に与えるインパクト
Asana Barという、カンボジア伝統の高床式家屋のカフェで初めて2人にお会いした。ソピアンは英語が普通に話せて、おそらく彼よりずっと学ぶ機会を与えられてきてイマイチ話せない自分を思わず省みるわたくし( ̄▽ ̄
■有機農園の技術、マーケティング、営業
聞いたところ、バッタンバン出身で、今やっている畑は叔父の住んでいるコミュニティにある。その叔父さんのツテがあって始められたらしい。
オーガニック農法はカンボジアの学校や、NGOが開催するクラスをタイまで受けに行って学んだという。
![]() |
堆肥作りもタイで学んだという |
叔父さんのツテがあるので畑はものすごく低コストで借りられている。しかしそのコスト優位やオーガニック技術はビジネスに結びつかねば続けることができない。
その点、シェムリアップという観光客が集まる立地は大きいだろう。外人なら比較的高価格でも、無農薬野菜となれば消費してくれる。
バッタンバンの実家は農家だそうで、そっちでもできたわけだが、この立地を選んだのはマーケティングセンスと言っていいと思う。
英語が話せるのもかなり大きいだろう。
冒頭の記事を読むと分かるが、普通にホテルに営業してもダメだったが、ホテルの宿泊客の外人にアピールしたら、そっちからリクエストが行って契約が取れたという。この機転もまた素晴らしい。
学ぶ意欲、マーケティング、語学力と営業センス、その全てをやってのけて、カンボジアでは主流とは言えないオーガニック農園を成立させたのだ。カンボジアのワカモノもすごいじゃない?
■すべてが揃う畑!
ソピアンの農園は本当に多品種で、一通り案内してもらったが覚えきれないほど。果樹があり、大豆があり、野菜があり、ハーブがある。木漏れ日の中で育つハーブが美しい。この単一栽培でないこと自体がおそらく土質改善や害虫防除にも役立っているはずだ。
この一帯はトンレサップ湖と、もう一つ小さめの湖があり、そこから用水が引かれているエリアでもある。町から十分離れているので水も透き通っており、小魚が泳ぐのが見える。ここでできた作物なら食べたいと思わせる^^
畑から少し離れたところには、広大な田んぼもある!難しいかもしれないが、ゼヒ日本米にチャレンジしてほしいものだ。ベトナムでできるんだからできるはず!
■オーガニックを学べる場
ソピアンの農園にはあらゆる種類のオーガニックなテクニックが注ぎ込まれていて、学んだことを真摯に実行する、彼の真面目な性格を畑が映し出ししている。
堆肥はもちろんだが防虫にニームを育てており、
レモングラスやマリーゴールドが畑を護っている。
野菜だけでなく魚や家畜との循環もデザインされていて、
小さな池が水の確保だけではなく魚を飼う場にもなっている。家禽は食用はもちろん、堆肥原料の供給元でもあるだろう。パーマカルチャーで言う合理性や多重性というやつだ。
知り合いの大学の先生がベトナムでまさにこのような循環農法を教えに行っているのだが、ここには教えるまでもなく自分で学び、技術的にもビジネス的にも実現してゆくワカモノがいるのだ。
技術はもちろん、こういうものを生み出した社会の有機性もまた学ぶに値するものではないだろうか。
■オーガニックなゲストハウス計画
ソピアンはこのオーガニック農園の隣に、いつかゲストハウスも建てたいと考えている。近代的なコンクリート&コロニアルなミニホテルではなく、カンボジアの伝統家屋らしいものにしたらと進言しておいた。もちろんソピアンもそのつもりであるという。
泊まる所があれば、彼のやってる農法を学びたいと思う人が訪れることができる。カンボジアのみならず、熱帯のオーガニック農法とは?という視点から見れば、学びの可能性は無限大だ。
ソピアンの叔父さんの家からはカンボジアらしいどこまでも続くパディビューと、トンレサップ湖から吹く風が心地よい一角があるのだが、もちろん予定地はそこ。
この(未来の)ゲストハウスからの素晴らしいビューを見よ!!\(^o^)/
そこにカンボジアの木と椰子の高床式伝統家屋があって、下にハンモックがあって、やってきたゲストが風に吹かれてゆらゆら揺れてるなんて考えるだけで素晴らしいじゃないか!
ソピアンの叔父さんの家では椰子を使った屋根葺きなど、今も伝統的な手仕事をいくつもしている。ゲストハウスができたら、オーガニック農法のみならず、そういうワークショップもできる。
そして彼はそれを全部英語で説明できるのだ。
これが事業として成功してくれたら、こういう家に住んで、手仕事をして、作物をケミカルに頼らず育てて、それによって水の綺麗さも保たれて。。そういう暮らし自体の価値が、ビジネスにもなることが実証される。
ビジネスが伝統と自然と未来を近代化で食い潰すのではない。ビジネスがそれらを全て護り、それ自体の価値を人びとの収入とするのだ。
そういう、新たなスタイルのビジネスが、英語を話せる現地びとで立ち上がってくる。これが本当のこの国の希望だと、深く思いを致す僕様だったのである。
関連リンク:
A Cambodian youth challenges organic farm in Siem Reap!(英訳版)
風土と街と近代と、愚図なやつらばっかじゃないぜ
カンボジアの農と食と、未来について考えた
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